若い男たちは、お庄らの気着かぬことまで見ていた。

 お鳥は寝所《ねどこ》へ入ってからも、自分の知っているそういう家の風をいろいろ話して聞かした。 二、三日経ってから、お鳥が浅草の叔母の方へ帰って行ったころには、店の方からよく働く女が一人ここへ廻されていた。方々ですれて来たお鳥の使いにくいことが、その前から奥へもよく解っていた。店の荷造りをする男と...

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お鳥は鼻にかかった声で言って澄ましていた。

 帰って行くと、奥はもうひっそりしていた。茶の間と若い人たちの寝る次の部屋との間の重い戸も締められて、心張り棒がさされてあった。お鳥は寝衣《ねまき》のまま起きて出て、そっと戸を開けてくれた。「私あのことどうしようかしら。」 お庄はお鳥の寝所《ねどこ》の傍にべッたり坐って、額を抑えながら深い溜息を...

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九時ごろにお庄は、通りの角まで母親に送られて帰って行った。

お庄はそこにあった団扇《うちわ》で、熱《ほて》った顔を煽《あお》ぎながら、畳に片手を突いて膝を崩《くず》していた。「これがお茶屋に行かずかと言いますがどんなもんでござんすら。」と母親が大分経ってから、おずおず言い出したとき、主婦《かみさん》はお庄の顔を見てニヤリと笑った。「そろそろいい着物でも着...

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